温暖化対策に関する 環境省・国立環境研究所・経産省 の発表  
 
(1)環境省が2016年度温室効果ガス排出量確定値を発表しました。  
  http://www.env.go.jp/press/105384.html 
  2016年度は
  温室効果ガス7ガス:90年比+3% 
  CO2排出量    90年比+4%
  エネルギー起源CO2 90年比+6%
と増えています。ただし原発事故前の2010年度と比べると温室効果ガス7ガスはほぼ同じ、エネルギー起源CO2はやや減るまでになりました。
 
  新しい点として「直接排出CO2の推移」(発電所の排出を他に割り振らずにそのまままとめる方法でIPCCや気候変動枠組条約はこの方法による計算と報告を各国に求めている)が載っています。5ページの図3(直接排出)と、6ページの図4(間接排出)、分け方が違うと見え方が全く異なります。
 以前は国内むけは「間接排出」(電力消費量に応じて火発のCO2排出量を割り振ったCO2)、図4のタイプが大半で、火力発電所の排出量・割合は最後の円グラフ(今回だと21ページに載っているもの)のみで、発電所が全体でどれくらい出して、どれくらい増えているのかわかりにくくなっていました(海外の統計ではすぐわかります)。
 今回「直接排出」の図3がおそらく初めて環境省の国内向け報道発表に出ました(解説はないですすマスコミも何も書いていませんが)。図3を見ると、「エネルギー転換部門」のCO2排出量が原発事故以前から増加を続けていること、他をみると割合も小さく、業務(熱利用分のみ)はよこばい(2016年度は計算方法修正で激減)、他は減少傾向であることがわかります。発電所の排出には一部消費側の責任もあるのですが、17ページをみると電力消費量は最近特に2010年以降減っていること、18ページで発電側の問題として電力量あたりCO2が継続して増えていること、17ページで発電側の問題として電源構成で石炭がずっと増えてきたことなどもわかります。条約に出している資料は図3だけで図4はないので海外の人は以前から日本でも発電所のCO2が規模も増加も最大であることは知っていますが、日本国内でもこれが官庁資料で(国立環境研の次の詳しい資料以外で)公式に見られるのは前進です。
 
(2)国立環境研究所が1990-2016年度の温室効果ガス排出目録(エクセルファイル)を発表しました。  
  http://www-gio.nies.go.jp/aboutghg/nir/nir-j.html 
  2016年度の温室効果ガス排出量は1990年度比で3%増です。 
  2016年度のCO2排出量(直接排出)は1990年度比で4%増、エネルギー転換部門が激増で1.5倍ですが、産業部門22%減、業務部門27%減(計算方法修正で16年だけ突然減)、家庭部門4%減、運輸部門も3%増にとどまっています。 
(3)経済産業省が2016年度エネルギー需給実績(確報)を発表しました。  
報道発表  http://www.meti.go.jp/press/2018/04/20180424001/20180424001.html 
資料  http://www.enecho.meti.go.jp/statistics/total_energy/ 
 

需給実績概要、詳細、時系列、エネルギーバランス表があります。エネルギーバランス表は1990年度まで遡って改訂されています。
2016年度の一次エネルギー消費は1990年度比1%増、2010年度比10%減(但し石炭は90年比1.5倍に)2016年度の最終エネルギー消費は1990年度比2%減、2010年度比10%減2016年度の発電量、電力消費量ともに2010年度比9%減