JNEPエネ基本計画意見書     
 
 
エネルギー基本計画への意見集(素案) 
 
経済産業省の第5次エネルギー基本計画案のパブリックコメントが617日までです。 
http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000173982 
 
審議会には経済産業省が原発推進の委員を集め、役人が計画案を書きました。温暖化は色々な問題の一つ、2030年は「エネルギーミックス」の推進で石炭・原発推進、2050年まで原発や化石燃料を選択肢にするなどの内容で、世界の常識とも日本の世論ともかけ離れたものです。市民の意見が必要です。 
 
意見提出は、 
【1】ホームページ 
http://search.e-gov.go.jp /servlet /Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=62 0218009&Mode=0 
(あるいは「第5次エネルギー基本計画(案)に対するパブリックコメント」で検索) 
の「意見提出フォーム」に意見を書き込み、提出(注:パソコン上で事前に意見をつくり、それをコピーすることをお勧めします。) 
【2】FAXを送る。FAX番号: 03-3501-2305 送付先:資源エネルギー庁長官官房総務課 
意見提出様式
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=620218009&Mode=0 
【3】郵送 〒100-8931東京都千代田区霞が関 1-3-1資源エネルギー庁長官官房総務課 パブリックコメント受付担当宛 
 
意見提出様式 
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=620218009&Mode=0 
 
エネルギー基本計画への意見の例 
 
(1)原発再稼働に反対します。原発新増設更新をしないと明記を求めます。海外輸出に反対します。また輸出への公的金融使用、政府の債務保証を直ちに止めると明記を求めます。 
原発事故は地域を徹底的に破壊、多くの原発関連死をもたらし、多くの人が今も家に帰れず、はかりしれない被害をもたらしました。原発事故を二度とおこさないため、また10万年以上の長期保管が必要な放射性廃棄物を増やさないため、原発再稼働に反対します。事故をおこし、事故原因も解明できず、被害者の生活再建もできず、それでいて誰一人責任をとらない国が、海外へ原発輸出などすべきではありません。公的金融や政府の債務保証などとんでもないことです。 
 
(2)原発事故費用の送電線使用料金を通じた国民負担に反対します。 
事故費用は東京電力、株主、電力債購入者、融資している金融機関、原子炉を売ったメーカーが払うべきです。足らなければ東京電力の発電所や送電線を売るべきです。 
 
(3)将来世代と途上国の人々の温暖化被害防止、大気汚染被害防止のため、2030年排出半減、2050年にむけた脱炭素化を求めます。これを省エネと再生可能エネルギーで実現することを求めます。 
温暖化防止と大気汚染など公害防止はエネルギーを使う上で一番の問題です。エネルギー基本計画案は「脱炭素」の動きがあるといいながら目標強化もなく石炭推進など逆行する政策が目白押しです。「パリ協定」は世界で今世紀後半に人為的温室効果ガス排出ゼロと定めています。エネルギーは脱炭素が必要、2030年目標も1990年比50%削減以上に強化し、省エネと再生可能エネルギーで実現すべきです。原発やCO2の回収固定は使うべきではありません。 
 
(4)石炭火力推進反対、ただちに新設を禁止し、今動いている石炭火力発電も2030年までにゼロにすることを求めます。石炭火力海外輸出も禁止、輸出への公的金融使用、政府の債務保証などの一切の支援を今すぐやめるべきです。 

石炭は温暖化でも大気汚染でも重金属有害物質汚染でも最悪の燃料で、早く石炭火力はやめるべきです。カナダやイギリスやフランスなど世界28ヶ国加盟の脱石炭火力連合に日本も早く加盟、日本も2030年までに石炭火力を全廃すべきです。石炭の技術開発も不要、税金の無駄です。 

日本が途上国に輸出した石炭火力は、効率も悪く、しかも公害防止装置がついていないか低レベルの典型的な公害輸出で、日本政府はそれに公的金融融資を出していました。今後輸出を禁止し、輸出への公的金融使用、政府の債務保証などの一切の支援をただちに止めるべきです。 
 
(5)石炭にまぜる輸入バイオマスなどひどいものを除き、太陽光・風力・水力・地熱と地元のバイオマスを使う再生可能エネルギー発電所は、建設したら必ず送電線につなぐ、原発火力より優先して電気を買う、再生可能エネルギー発電所から送電線までの電線などの費用は送電会社が出す、再生可能エネルギー優先の政策転換を求めます。 
 
(6)再生可能エネルギー買取制度は、地元優先、かつ発電所設備建設の「もと」が取れる値段で電気を買い取る政策に変えることを求めます。家庭用太陽光を10年たったら買取価格ゼロにする政策、家庭に蓄電池を買わせる政策も撤回を求めます。 
10電力会社が、送電線が空いているのに「送電線が空き容量ゼロ」、空いている分は将来の原発再稼働分にとっておくなどとして再生可能エネルギー発電を接続拒否、あるいは送電線や変電所建設費を出せと法外な金を要求し、経済産業省はそれを放置してきました。再生可能エネルギー優先制度にいますぐ変えるべきです。 
再生可能エネルギーに不利な上に、特に家庭を不当に不利にする制度を、再生可能エネルギー優先制度にいますぐ変えるべきです。 
 
(7)送電会社は発電会社から資本関係を断つルールにべきです。 

日本も発送電分離を2020年にする予定ですが、資本関係・親会社子会社でも容認する制度で、これでは関連会社に「忖度」(そんたく)して火力原子力をえこひいきする送電会社になってしまいます。自然エネルギーを差別しない、資本関係のない送電会社が運営する政策にすべきです。

 
(8)温暖化対策には政策強化が不可欠、産業界自主計画任せをやめ、電力や鉄鋼、化学など大口排出源は、総量削減義務化・排出量取引制度を導入すべきです。 
対策強化には政策強化が必要です。産業界自主計画任せをやめ、電力・鉄鋼など大口排出源への削減義務化政策を求めます。具体的政策は環境基本法の下で環境省に任せればいいと思います。 
 
(9)2050年にむけて「脱炭素」は他に優先すべき必須のもの、手段は省エネと再生可能エネルギーに絞ることを求めます。 
エネルギー基本計画案は、2050年にむけ、温暖化は他にも色々ある問題の一つだということのようです。脱炭素も再生可能エネルギー、原発、化石燃料で出たCO2を地下に埋める、の全部を残す「複線シナリオ」と書いています。2050年脱炭素は必須とし、原発、化石燃料は選択肢から外して省エネと再生可能エネルギーにすべきです。
 
(10)石炭・原子力優先政策継続は日本企業を弱め、つぶします。若者の雇用のためにも企業に変なリスクを負わせない、そのためにも石炭・原子力優先政策の撤回を求めます。 
 
エネルギー基本計画案は2526ページに化石燃料の自主確保、自主開発比率維持とし海外の石炭鉱山・油田・ガス田の権益を買うことを求めています。パリ協定で温暖化対策が進んで「座礁資産」(石炭が売れなくて閉山になったら鉱山権益は紙くずに)になったら、政府に原子力企業を買わされた東芝のように経営危機になりかねません。外務省有識者会合の報告は「従来型の化石燃料への投資や、化石燃料を利用し続けること自体が事業リスクになっている」さらに「脱炭素が新たな商業ルールになった(中略)日本の再生可能エネルギー導入率が低い水準にとどまれば、日本企業の世界でのビジネス展開を困難にする恐れがある」と書いています。将来を見据えて企業にこういう警告をし、対策を促す政策を導入するのも経済産業省の役割のはずですが、逆に「座礁資産」を買わせようとしているようにしか見えません。将来有望な省エネ再生可能エネルギー産業をのばすのに冷淡、企業にリスクを負わせる化石燃料・原子力重視政策は撤回すべきです。